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くーちゃんの袋 [おはなし]

~ネコのおなかには、不思議な袋があります。そっとなでると、細かなお日様色の粉が舞い上がり、ひからびた気持ちや寂しい心にやさしく降りかかるんです。だから、人は、満たされない気持ちのとき、無性に猫をだいてなでたくなるのでしょうね。~


それは小さな、小さな袋です。

くーちゃんは、悲しい色や、怒った風に、ひからびそうになった気持ちがひらひら舞っているのをみかけた時、その袋を開けます。

袋の中の、お日さま色の粉がふりかかると、
たちまちのうちに、本当のおひさまのようにほんわりと暖かく心持ち良くなって、
たいていのものたちは、ずいぶんとほっとするのです。

いちど、「その袋はどうしたの?」と、くーちゃんにきいたことがあります。
「袋、もってないの?」と、きいろい目を不思議そうにして、くーちゃんはきき返しました。

それは、人でもネコでもネズミでも、金魚でも、草でも、花でも、虫でも、
誰もが、生まれたときに1つ、持っているものなのだそうです。

でも、あんまり速く走っているうちに落としてしまったり、
そばにあるのに忘れていたり、自分で壊したり捨ててしまったりするのを、
旅をする間にくーちゃんは、たくさん見てきました。

あんな大切なものにそんなことするなんてと、不思議に思ったそうです。

そうそう、くーちゃんは、誰のどこがどんな具合なのかも、ちゃんとわかります。
たとえば、寂しがっているほっぺにそっと鼻キスしたり、
悲しいおなかに優しく頭をすり寄せたり、泣いている迷子の心と添い寝をしたり、
そうしながら、粉は間違いなく、その場所にふりかかります。

どうしてわかるの?ともきいてみるんですが、くーちゃんは鳥さんを眺めながら「あ、あーん」と鳴くばかり。
きっと、旅していると、お日様や影の出具合で南の方向がどっちか分かるように、自然と分かってきたのでしょうね。

多分こんな風に、
くーちゃんは普通だと思っているに違いないけど、
知らないこと、忘れていること、
ほかにもいろんなことをわかっている気がするんです。

今度、ひなたぼっこの時にでも、それとなく、くーちゃんにきいてみたいなと、思います。


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「すずめさ~ん」

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